日本文具資料館
この前、両国の日本文具資料館に行ってきました。
お目当てだった相撲博物館、江戸東京博物館、花火資料館をはしごして
いやー世の中面白いものがたくさんあるなー!
両国ってさすが住所も「横綱(よこづな)」なんだなー!
と感動しながらフーと一息ついてマップを見ていたとき、
「文具資料館」なる文字を発見しました。
むむ、これは。
トコトコと歩いて到着。
浅草橋駅からだと徒歩5分とのこと。
一瞬通り過ぎてしまうほど外観は普通のビルで
おそるおそるドアをあけるとやっぱり普通のビル。
あ、間違えましたーと思っていると受付のおじさんが
「資料館?うんうん、ここに名前書いてね~」と。
入場無料らしいです。ありがたや。
そしておじさんに連れられて奥に進むとそこには―
ガラスケースに入った金印!
列になって並ぶ計算機!
昭和レトロ心くすぐる看板たち!
他にもたくさん!!名前さえわからないときめきたちが所狭しと並んでいるわけです!
あまりの衝撃に立ち尽くす私におじさんは
「写真好きに撮っていいからな~」と言って消えました。
ありがとうありがとう、この景色が夢じゃなかったと証明できます。
いや待て金印て。社会の教科書おさらいさせて。
と思った方もいるかもしれません。
この日本文具資料館では旧石器時代から文具をおさらいしていきます。
金印で待ったをかけている場合ではないのです。
もうほんと尖った石みたいなのから飾られてますからね、
「いやこれは石やん」
って感じなんですがそこからマッハ早送りで見る文具の進化の素晴らしいこと。
鉛筆、羽ペン、ガラスペン、シャーペンなどなど丁寧な解説文付きで
起源をたどることができるんです。
例えば羽ペンなどは
鷲鳥の翼の外側5枚が筆記に適し、一番よいのは2番目と3番目の羽で生きた鳥から春に抜いたものが良く、左翼の方が好まれた。
とのこと。
いつか、言ってみたいなぁ。
「やっぱ羽ペンは鷲鳥の左翼にかぎるなぁ~個人的には2番目のが好み」
…通すぎるなー!
あ、最初に名前さえ分からないと言ったやつはこれでした。
「矢立」という携帯用筆記具とのこと。
筆と墨壺を合わせたものらしいですが、調べたら現在も使われているんですね!?
毛筆による筆記が限定的になった現在の日本ではほとんど使われない。一方、内閣の閣議決定は閣僚の花押による署名を必要とするため、持ち回り閣議では閣僚の署名を集めるために現在も矢立が使われている。(Wikipediaより)
そうなのか~現在のはどんな形をしているんでしょう。
展示されていたのはシンプルな装飾がほどこされている
きれいなシルエットの矢立でした。
お次はこちら。
Perfumeのジャケ写…?
ファンの方、異論ありましたらすみません(ちなみに私もPerfumeファンなので仲良くなりましょう)。
洗練された雰囲気はディスプレイの仕方もあるとは思いますが
なによりもこの姿の美しい…シャ、シャープペンシル!?
なんだかシャーペンって気軽に略せないオーラを放っていますね。
このときのシャープペンシル開発者さんと今の開発者さんを会わせたいなー。
クルトガだけで3時間くらい盛り上がりそうではないでしょうか。
そして私はそれをそばで聞いていたい…。
てな感じで他にももっとたくさんある
(タイプライター、インク、鉛筆の懸紙…)のですが、
解説付きで生で見るのが一番なのであとは行ってからのお楽しみということで。
あ、そうそう出口付近に等身大の万年筆と鉛筆がありました。
二本に挟まれて記念撮影すると楽しいです。
インスタ映えもばっちり!
いやー本当に素晴らしかった日本文具博物館。
文具は一番身近な美術品なんだなと思いました。
機能美を突き詰めたものもあり、骨董品として機能しているものもあり。
一般人が日常生活で使うものだって
手に持つ人の心をちょっと嬉しくする仕掛けがかわいい。
改めて文具への思いが深まりました。
帰りに何かグッズを買って運営に貢献できないかと思ったのですが
残念ながらグッズ販売はしていないようで。
それどころか受付のおじさんから「記念品ね!」と
フリクションのマーカーを頂きました。
なぜ!?!?!?
あんなに写真を撮りまくったのに
すべてが夢だったのではと疑ってしまうような体験。
大きな空間に厳かな雰囲気で!って感じではないですが
ぎゅぎゅっと古いかわいいものたちが並べられている空間で
静かにやさしい気持ちになれます。
もし気になったらぜひ足を運んでみてください。
ほくほくしながら両国駅まで向かう途中、
すれ違うお相撲さんたちがいい匂いすぎてびっくり。
そうかお相撲さんの町だもんね。でも他にもたくさんいい思い出ができました。
そして駅の横に立っていた看板をふと見ると
住所は「横綱(よこづな)」ではなく「横網(よこあみ)」でした。