タイムリープ

(先日亡くなった祖母がまだ存命だった頃に書いてた日記)

 

 

短命な家系なので4人いた祖父母は1人になってしまった。母方の祖母、寝たきりになって10年、話せなくなって何年だろう。この前その祖母が亡くなる夢を見て泣いた。起きてまだ生きていることに気づいてもっと泣いた。生きていてほしい人が生きているってすごいことだ。

私たちは家族、友達、近所の人、その他出会った様々な人が今日もそして明日も生きているという大前提で日々を過ごしている。本当はみんな明日死ぬかもしれない。そんなことはわかっているつもりで簡単に忘れてしまう。簡単に忘れて喧嘩したりもする。それは甘えとも言える。

でもそういう甘えがないとやってられないのだ。身近な人が明日死ぬならやらないことを積み上げた先に見えるものもある。毎日誰かが死ぬ可能性を考えてたらまともな精神を保てない。だから結局は「多分死なない」という確率にかけて変わらない毎日を送る。

 

ただときどき考える。実は今日の私は好きな人に10年後に死なれた私。タイムリープ。きっとその人が生きてるだけでうれしい。それだけで十分だって思う。だけどまだこれから10年ある。明日死ぬなら美味しいもの食べてひたすら抱き合って寝るっていうのもアリだけど10年かぁ。じゃあ、何をしよう。

 

とかね。

 

でも好きな人に死なれなら何度でも思う、あの人が生きている世界に行きたいって。その世界にいるのが今。それはすごいこと。