心に穴が開く、ではないんだな。
例えるなら土台がなくなった、の方が近い。その上にどんなに積み木を積み立てても崩れてしまう。いつからか私の生活は、人生は、その子の存在を前提に成り立っていた。それは会ってないときもその子のことを考えていないときもそうだった。そのことに、今更気づいた。
時間が経つほど上手く泣けない。泣けば泣くほどその子がもういないことが確かになっていくようで嫌。これ以上確かな事実もないってわかってる、わかってるけど頭がちゃんと理解できるときとできないときがある。白と黒の境目を、存在するはずのない境目を、ずっとさまよい続けてる。
目を開けたら何もかも嘘だった、そういう朝をください。私とあの子をつなぐもの、記憶も過去も関係も失っていいから、あの子が生きてる世界を。