サッカー

この前、初めてサッカーを観に行った。

私のサッカーについての全知識は

11人、PK、ワールドカップ、オシムブブゼラ、だった。

そんな私がサッカーを観に行こうと思い立ったきっかけは

「なんとなく」である。ぼんやりとした強い意志だ。

さっそく図書館からサッカーの入門書を借りて勉強した。

「サッカーのルール」と書かれた本を熱心に読む姿は

我ながら「図:サッカーのルールを勉強する人」として

教科書に載ってもいいほど完璧だったと思う。なんの教科書かわからないが。

 

オフサイドが3割ほど理解できたところで試合当日になった。

「残り7割は試合を観て感じろ」

私のなかのブルース・リーがささやいた。

ツルツルしたお揃いのTシャツを着たり、屋台でご飯を買ったりして

「お祭りみたいだな」と思いながら試合開始を待った。

 

結論から言えば、感動した。

意思を託されたボールの動き

忍者のように動く主審

数万人がひとつのボールに集中している場

巧みな戦略とボールさばきでゴールを目指す選手たち

すべてが私の日常にはないもので、圧倒された。

 

網の中にボールが入ることは、思っていたよりなんでもないことだった。

怒られるかもしれないが、それが一番印象に残った。

でもだからこそ、感動した。

 

ルールを決めて、努力を積み重ね、勝利を目指す。

ボールが網の中に入ること自体が面白いはずがない。

ボールを網の中に入れる力、それに込められたものを私たちは観ている。

 

ひたむきに何かを目指す人の姿は美しい

それは選手たちのみではなく、

応援しているサポーターにも感じることだった。

こちらのチームが点を入れ、歌にダンスに盛り上がっているとき

相手チームのサポーターはまっすぐに腕を上げ応援歌を歌っていた。

いや、当たり前なことなのかもしれない。

だけど選手たちと共に喜び、悔しがり、勝利を目指す人々の

エネルギーの集まりはまぶしかった。

 

試合は結局応援していたチームが勝利をおさめ、

周りの人たちはほくほくした笑顔で会場を後にしていた。

楽しみ方が個人的すぎる気もしたが、私もすごく楽しかった。

試合を成り立たせているすべてが味わい深かった。

サッカー、おもしろい。

オフサイドも理解度が6割に向上した。