一度脱いだ制服を着て睫毛をあげた、恥ずかしさと高陽感で私たち無敵だったね。走り出して思わず繋いだ手、あのときが最初で最後だったかな。あれなんだったんだろうね。左利きだから字が汚いって気にしてたじゃない、私は好きだったよ左から右へはらうように進むペン先。もらった手紙、今はうまく読めないんだけどさ。
具合悪い私の背中をさすってくれたときも、改札で大きくバイバイしたときも、すぐそこにある手をどうして掴まなかったんだろう。一番大事なときに離してしまった手は行く先を見失って私の膝上にある。
私たちを繋ぎ止めるものぜんぶなくしたっていいから、もう一回出会おうよ。そしてまた手、繋ごうよ。

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