大学生

買い出しに自転車を走らせた夜、白い息を吐きながらトシキんちに向かった。数百円ずつ出しあって鍋と酒。女子もいたらなんか盛り上がるゲームでもするだろうけど今日も相変わらずの野郎飲みだから麻雀。俺たちのまいにちはのびのびになりながらもなんとか形を保っていて、ちょうど今穿いてるジャージのゴムみたいなもんだった。誰かがカラオケ行きてーって言い出したらみんなうわ行きてーってなっちゃって、んじゃ行くかと言い出すまで1分もかからない。
外に出た瞬間「さみー」とトシキが大声で叫ぶと、どっかの家の玄関からじいさんが出てきたので俺たちは急いでその場を離れた。
見上げると星空。オリオン座しかわかんねえ俺の息がふわふわと登っていって消える。こんな俺をいつか「よかった」って思える日が来るのかな。