現実

死んだと思った人が生きてたって物語は希望そのものだけど、一部の観客/読者にとっては絶望でしかない。否定したい訳じゃない、むしろ誰よりもそんな奇跡を望んでいるからこそ、そして現実では起こり得ないとわかっているからこそ、否定せざるを得ないのだ。

「もし魔法が使えたらどうする?」「もしタイムマシンがあったらどうする?」「もし人を生き返らせる技術が開発されたらどうする?」。そんな「もし」を単なるお題として楽しめなくなってしまって、キャッキャッと話してる人たちが羨ましい。だけど私はファンタジーでこの悲しみや後悔を誤魔化したくない。抱えながら生きていくって決めたから。奇跡なんか起こり得ない現実で歯くいしばって生きてる人たちを、救うって決めたから。