誰も

何が悪かったのか。誰が悪かったのか。
必死に悪者探しをしていた時間はつらかった。

死を受け入れるというのは多分、生を受け入れることであると気づいたとき
あの子の死を否定することであの子の生を否定してしまっている自分に違和感を覚えた。

誰も悪くない。
その事実を認めるには現実はあまりに重かったけど、きっと、多分、そうなんだと思う。
あの子も含めて私たちは誰も悪くない。
強ばっていた肩の力が抜ける。

何度でも思った。
もし、もっと早く休んでいたら
もし、違う道を歩んでいたら
でもそれらはあの子が決めて頑張ったことだから。
それを否定したくない。
今となっては、終わりまで含めて全部、受け入れたい。

そういうあの子が、私は好きだったから。