願い

初詣。白い息を吐きながら、脳の真ん中になんの飾り気もない願いをポツンと置く、あの時間が好きだ。

こうあってほしい、こうありたいという願いそれ自体は細くゆらゆらと揺れる炎のよう。誰かにふっと吹かれたり、足で踏まれたりしたらすぐに消えてしまいそうな、弱々しい灯。

だから多くの人の賛成を得ようとしたり、お金を儲けたりしようとするときには役に立たない。願いを、もっと強くて正しくて華やかなものに変えなければいけない。行動で示して、結果を出さなければいけない。

それは必要なことだと思う。私もそうやって、より多くの人の心に届くものを作りたい。世界への願いを成就させたい。

でもよく忘れそうになる。今目の前にある、ガラス張りの大きなビルも強い言葉が飛び交う議論も商品のなれの果てのようなテレビ番組も、そもそもは誰かの願いから生まれたということを。

素朴で純粋な願いを思い出したくて、人は旅行をしたり、詩を作ったり、散歩をしたりするのかもしれない。初詣のあの時間を、別の形で日常に取り込むのかもしれない。

今日ふいに私にそのことを気づかせてくれたのがこの動画だった。

心のなかの炎を、消されても消されてもまた灯そうとする営みは尊い

大袈裟かな。でも本当にそう思った。

いい曲です。

 


モーニング娘。'16 / Be Alive