わからない

理科室で静かに叫ぶ放課後よ
あの子の声はフラスコの底


誰かの哲学や願いがこもったわけのわからないものにたくさん出会えた自分の十代を気に入っている。
若い頃わからなかったものが歳をとってわかること、歳をとってもわからないこと。
その両方を持てる幸せは「わけのわからないものとの出会い」からはじまる。
疑問、摩擦、違和感。
なんの役に立たなくてもぜんぶ取っておく。