アイドル

※アイドルに対しての想いがかかえきれなくなってきたので世間体を気にせずに書き流します。世間体を気にせずに、というのはかなりきもいよという警告ですのでご了承ください。

 

絶対なんてないと知ることが大人なのかはわからないけど、それは大人の階段を数段上るといやでも目にする事実。仕事の大部分は地味な作業の繰り返しで、作業を素早く効率的に終わらせるコツは、気持ちを同じ温度に保ち続け、失敗も成功も淡々と受け止めていくこと。そしてそういうことが上手くなっていくうちに、他人に期待することはリスクだなって思うようになる。無根拠に発言することや感情論に走ることはもってのほかで、エビデンスエビデンスエビデンスひとつ飛ばさすエビデンス。社員証はエビデンス。なきゃ会社は入れない(ただの鬱憤)。

だから、アイドルが尊い

かさついた心に染みてくる歌詞、メロディー、ダンス、トーク、かわいさ。

無根拠に励ましてくる、『君ならできるよ』って。「いや君そんなこと言ってもエビデ…」『大丈夫、できないことなんてない!』って。やさぐれた私がおそるおそる顔をあげればきらきらした瞳で力強く微笑んでくる。できるかもしれないって思ってしまう(単純)。こっちが「AがBだとすればCだけれども、Dという要因が関わってきたとき…」なんて考えてるときに「チュッ!チュッ!チュチュチュッ!サマーパ~ティ」とか言ってくる。出典が古いとか関係ない。ああ結論はサマーパ~ティだよなって思ってしまう(単純)。

ボタンを押せばいつでも笑ってくれる、かわいい服を着て体ぜんぶを使って踊ってくれる。なんて尊いんだろう。ただでさえかわいい子たちがプロのメイクさん、衣装さん、振付師、舞台監督、その他さまざまな人たちの努力とセンスによってより一層輝いている姿は総合芸術。昨日微笑んでくれたこの子たちが今日も微笑んでくれるだけで、明日にも期待してしまう。でもそれが本人たちを苦しめることにはなってほしくない、説明がうまくできないけど、期待した通りになるってことよりも何かに期待をさせてくれるだけで救われる気持ちがある。

白くて細い腕も揃ったダンスも息切れせずに続けるライブも、たゆまぬ努力の上にやっと成り立つこと。そう思ったとき、ああ無根拠に励ましていたわけじゃなかったんだなと気づく。「わたしたちができたよ」だから「君ならできるよ」って全身で伝えてくれてるんだと。ほっぺをふくらませて怒って見せたり、じーっとカメラを見つめたあとキュッと目を細めたり、メンバーにちょっかいだして舌を出したり、頭の上でうさぎのポーズをしたり、その他言葉に出来ない細かな仕草すべてがアイドル。いじわるな人がそんなのぜんぶ虚像だって言うけど、そうじゃない。あの子たちに会って生まれたときめき、憧れ、胸をしめつけるきらきらを浴びる時、(ほんときもいって言われるけど)あ、生きてるなって反射的に感じる。そしてファンのそういう気持ちにあの子たちが少しでも励まされているなら、それほど確かな気持ちの循環もないって思う。

あの子たちにはあの子たちそれぞれの人生がある。そうだとしても、ステージの上ではアイドルでいてくれる、「絶対」であってくれる、その役を担ってくれたことに心の底から感謝している。